特別研究室

ポルトガル・リスボン地下鉄の紹介

1路線の長さはそれほどではありません。



赤顔,青ドア


 ポルトガルの首都,リスボンの市内交通は市電,地下鉄,バス,ケーブルカー,フェリー と多様で,そのうち地下鉄は全部で4路線あります。名称はガイヴォータ(Gaivota,カモメの意) 線,ジハッソル(Girassol,ヒマワリの意)線,カハヴェラ(Caravela,帆船の意)線,オヒエンテ (Oriente,東方の意)線といい(注),親しみやすい名前が付いています。ラインカラーもガイヴォータ 線が青,ジハッソル線が黄,カハヴェラ線が緑,オヒエンテ線が赤となっています。 各線の路線表示などの案内版にもカモメやヒマワリのイラストが描かれており,わかりやすく なっています。4路線合計の営業帰路は38kmと各路線ともそれほど長距離を走る路線ではあり ません。現在,ガイヴォータ線とオヒエンテ線で路線延長工事が行われています。
(注)ポルトガル語の"r"の発音は日本語の「ハ行」に近いため,原語に基づいて日本語読みを 当てました。


市内交通機関。この他にバス(トロリーバスも)ある。地上交通機関は黄色がイメージカラー。
地下鉄(左),ケーブルカー(中),レトロなトラム。路線によっては最新型の連接電車も走る。(右)

 車両はどの線でも同じ形式のようで,3両編成または3+3の6両編成での運転です。車体は モントリオール地下鉄に似た感じですが,赤い顔と青いドアが印象的です。集電方式は第三 軌条方式,軌間は1435mmの標準軌のようです。列車の通行は左側通行で,道路交通とは反対に なります。ポルトガルでは国鉄を含めた鉄道は日本と同じ左側通行,道路は右側通行で,最初 に地下鉄に乗るときにはちょっと迷ってしまいました。運行はワンマン運転で行われます。 車内はセミクロスシートで,座席のクッションはほとんどないと言っていいくらいの堅さです。 短時間乗るには問題ないと思いますが,ヨーロッパの地下鉄ではこのようなタイプの座席が ときどき見かけられます。

駅の造りはドーム型のパリメトロに似た感じです。ホームにはスクリーンが設置され,広告 映像が流されていました。ヨーロッパの他都市の地下鉄と同様,リスボン地下鉄でも各駅に 芸術的な装飾が施されています。しかし,リスボン地下鉄の特徴的なところは,各駅の装飾を 積極的にPRしている点にあります。駅装飾を紹介したパンフレットが作られ, ウェブサイト(ポルトガル語,英語) でも各駅の装飾が紹介されています。

地下鉄全線は1ゾーンでくくられており,1乗車65ユーロセント, 日本円では100円を下回る安さです。改札は入場時に四角い改札機に切符を通すとガラス扉が 開きます。出場時には改札機に切符を通す必要はないみたいですが,乗り換えに一旦改札を 出なければならないときもあり,そのようなときには一旦出る改札機に切符を通さなければ ならないようです。駅では時々係員が検札をしており,不正防止に目を光らせています。


パリメトロに似たドーム型の造り(左),スクリーンには広告画像が映される(右)


コンコースが線路上に架かる橋になっている(左),ホームにあるモニュメント(Marques de Pombal駅)(右)


参考資料:

  • 『地球の歩き方'04〜'05ポルトガル』ダイヤモンド社,2004.7。
  • 日本地下鉄協会『最新世界の地下鉄』,ぎょうせい,2005.6。

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    2006/9/2作成
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