特別研究室

スウェーデン・ストックホルム地下鉄の紹介

電車も駅もきれいでした。



青空の下を走るストックホルム地下鉄


 ストックホルムの地下鉄は郊外まで広くカバーしており,営業キロも100kmを超えています。 規模としては東京の都営地下鉄や大阪市営地下鉄と同じくらいでしょうか。また,地下鉄の他に バス,トラムもありますが,市内中心部を走るトラムは一度廃止された路線を観光用に復活させ, 主に休日に運転するのみのようです。市内公共交通機関はSL(Stockholm Lokaltrafik)社が運営し, イメージカラーは,リスボンの地上交通機関の黄色に対し,ストックホルムでは青となっています。 地下鉄の路線は3路線のみで,どの路線も末端部で枝分かれしています。路線名はグリーンライン, レッドライン,ブルーラインと,ラインカラーを名称に使っていますが,車両や駅ホームには 路線を区別する色分けはあまり見かけませんでした。


ストックホルムの地下鉄とトラム。トラムはほとんど観光用。

 地下鉄車両は1998年から更新の始まった最新型の斬新なデザインのもので基本は3両編成。 おそらく全路線共通の車両と思われます。これが最大3編成連結された9両編成になります。 第三軌条集電方式で軌間は標準軌です。各編成にはLeonardo,Mary,Monicaなど愛称が付いており, 先頭車のサイドに筆記体で書かれています。個体ごとの愛称は船には○○丸といったのがあります が,鉄道の各編成に愛称が付くのはとても珍しいですね。車体はアルミ製の銀車体でドアや運転台 の部分が一部スカイブルーに塗られるという,JR北海道のキハ281系のような塗り分けです。 車内に入ると,青地の座席に黄色の保護棒という配色で障害者への配慮としてコントラストの 強い色を使っているそうです。座席は全てクロスシートになっています。新型車両ということも あり,車内は明るく走行音もとても静かです。運行はワンマン運転,乗務員が各駅で乗務員室ドア からドア操作します。乗務員室ドアもボタンによる自動開閉のよう です。


先頭車に書かれる愛称名(左),塗り分けはスーパー北斗似?(中),車内はこんな感じ(右)

 次に駅施設ですが,ストックホルムは地盤がとても頑強な岩でできていることから, トンネルは素堀りのままの部分が多く,コンクリートで天井や壁を固めることはされていません。 ですから,駅の構内の天井も平らではなくデコボコのままになっています。このデコボコの天井に きれいな装飾がなされている駅があります。市内の中心駅であるT-Centralen駅の天井装飾は とてもきれいで一見の価値ありです。また,ストックホルムは周りを湖や川で囲まれた地形のため, 地下鉄は湖や川の下を通るようにかなり地下深いところにと作られています。そのため,一部の 駅ではサンクトペテルブルグ地下鉄のようにかなり深いところまでエスカレーターで下って いかなければなりません。


きれいな天井装飾(ブルーラインKungstradgarden駅)


T-Centralen駅の乗り換え通路(左),出口への長いエスカレータ(ブルーラインKungstradgarden駅)(右)


エスカレーターに沿って斜めに動くエレベータもある(ブルーラインKungstradgarden駅)(左),
ホームからエスカレーターへの途中にも装飾が(ブルーラインKungstradgarden駅)(右)

 駅での入場は回転バー式の自動改札機に切符を挿入するタイプです。私の使ったストック ホルムカードという観光用乗車券は磁気タイプの切符でしたが,この他にもクーポン式の普通 乗車券もあり,この切符は有人改札口を通るようです。出場時には切符を改札機に通す必要は ありません。出場側には改札機自体に切符の挿入口が付いていません。


地下鉄入口。ここにも像が建つ。(ブルーラインKungstradgarden駅)(左),郊外は地上を走る(グリーンラインBrommaplan駅)(右)


参考資料:

  • 『地球の歩き方'04〜'05北欧』ダイヤモンド社,2005.2。
  • 日本地下鉄協会『最新世界の地下鉄』,ぎょうせい,2005.6。

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    2006/9/2作成
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