2号線の最新車両MF01。何も装飾のない駅に電車が映える。
(Blanche駅)
・MP59
MP59は4号線,11号線で活躍するパリメトロ最古参の車両です。中にはもう40年近く現役車両もあり
ます。以前は1号線にも使われていましたが,1号線へのMP89投入によって1号線で走っていたMP59は
4号線,11号線に活躍の場を移しています。現在活躍中の車両は全て1989年〜92年にかけて車両更新を
受け,その際丸みの帯びた顔がMF67に似た縁付きのサフォーク(顔の黒い羊の種)顔になりました。
札幌地下鉄の2000系のように発車時にはガタガタという独特の揺れがあります。おまけに起動時の
走行音もどことなく2000系に似た雰囲気があり,懐かしさを感じる車両でした。
<2008年1月追記>
1号線の無人運転への転換計画による車両置き換えにより,1号線のMP89は4号線へ移籍する
ことが決まっています。これに伴い4号線のMP59は淘汰されることになるでしょう。一方,11号
線のMP59については,今のところ置き換えの計画は発表されていません。
<2013年3月追記>
4号線のMP59はすべてMP89に置き換えられました。これに伴い,MP59が活躍するのは11号線のみで,同時にMP59の6両編成での運転も見られなくなりました。
左:11号線用MP59。4両編成。(Porte des Lilas駅)
中:ホームに留置中の2編成。この停め方を見ていると,札幌地下鉄2000系中間先頭車を思い出します。(11号線Porte des Lilas駅)
右:MP59室内。側面窓は上部のみ引き戸となっており開閉可能。だが開閉部分は小さい。
・MF67
パリメトロで最大勢力のMF67は2号線,3号線,3bis線,5号線,9号線,10号線,12号線
の7路線路線で活躍しており,3bis線の3両編成を除いて,他の路線では5両編成で運用されて
います。外観は大きく分けて2種類があり,一つはMP59のようなサフォーク顔,もう一つは黒い
部分がなく前面窓下が緑色に塗られているものです。緑顔のMF67は2号線と5号線,10号線,12号線
と3号線の未更新車で見られ,それ以外の路線ではサフォーク顔の車両が活躍しています。2005年末
現在,登場当初のオリジナルの内装を持つ車両は2号線,5号線と3号線の一部車両に見られ,それの
以外の路線の車両では内装の更新が行われています。更新済みの車両もそれぞれの路線によって
シート地の色など内装も若干違いが見られます。そのため,2004年から進められている3号線用MF67
の車両更新のため,9号線用のMF67が応援として運用されていることも内装シート地などの色の違いで
判断することができました。
左:3号線用MF67更新車。同じ3号線用でも更新車はサフォーク顔,未更新車は緑顔になる。(Pont de Levallios Becon駅)
右:3bis線用MF67。3号線用と違い,正面まで緑帯が届いていない。(Gambetta駅)
左:緑色のオリジナルの顔。2号線,5号線,10号線,12号線で活躍中。
右:5号線用のMF67は側窓が他線用と異なる。
MF67の車内は向かい合わせのボックスシートで,ドア付近にも跳ね上げ式の簡易座席が8席 あります。小柄な車体に横2+2人のシートなので,座席幅もさることながら,通路もとても狭く, 大柄なフランス人が二人で腰掛けてしまうと,通路には人が立つことはできません。そのため 混んできたらドア付近に立つしかないのですが,ドア付近には簡易座席に腰掛けている人もいる ので(混んできたら簡易座席に座っている人も立つのがマナーですが), 立つスペースはかなり狭くなってしまいます。つり革もありませんが,ドア付近に2本保護棒が あります。やはり立ちスペースの少なさが問題になったのか,2004年から内装更新が始まった3号線 用の車両はボックス席と4人がけロングシートを左右非対称の座席配置に変更されています。 ちなみに,3号線用MF67更新車には路線案内が設置され,この先停まる駅はランプが点灯して 示されます。この案内表示は他路線の車両では見られません。
5号線用MF67は最終型(F型)で空調機器の変更などが行われており,外観も窓枠の他, ベンチレーターの形状が他のMF67とは異なります。5号線用MF67は1985年の車両基地新設により, 屋外留置が開始されましたが,直後からドア戸袋への雨水浸入の問題が発生し,窓枠が2重戸袋窓 構造に改造されました。残念ながら5号線用のMF67Fは最終型にもかかわらず,屋外留置されている ことから,他路線の車両より車体の状態が悪いようです。
<2008年1月追記>
2号線のMF67は2007年からMF01への置き換えが始まりました。これからも5号線,9号線のMF67に
ついて置き換えが行われる予定です。詳しくは以下のMF01の解説をご覧ください。
<2011年10月追記>
2号線のMF67は2011年夏までに全編成淘汰されました。現在は5号線のMF67の置き換えが進行中です。
<2016年3月追記>
5号線のMF67は既に全編成淘汰されました。現在は9号線のMF67の置き換えが進行中で,2016年3月現在
約半数が置き換えられています。また,10号線,12号線に残る緑顔のMF67も順次黒顔に更新されているようです。
左:3号線用MF67未更新車の室内。シート地は茶色いビニル。
右:こちらは3号線用MF67更新車。座席配置の変更など従来のMF67の更新より大規模に行われている。
左:9号線用MF67室内。基調色は緑で3bis線用と同じ内装色。座席は一人分独立したタイプ。
中:12号線用MF67室内。シート地がオレンジと青で10号線用も同じ内装。座席取っ手が9号線用と
異なる。
右:5号線用MF67室内。天井中央に送風装置が付いた。
・MP73
5路線あるゴムタイヤ併用式路線のうち,現在6号線のみで運用されるのがMP73です。今でこそ
6号線のみで運用される車両ですが,かつては11号線や4号線でも一部車両が活躍していました。
MP73は外観も内装もMF67とほとんど変わりません。単に走行方式の違いだけでしょうか。ただ,
MP59もそうですが,ゴムタイヤを履いているため,車体側面にタイヤハウスの欠き取り部分が
あります。札幌地下鉄2000系のような大きなものではありませんが,札幌とパリでゴムタイヤ
車両の共通特徴があったのはちょっと嬉しい感じがしました。6号線は路線の約半分が地上区間と
なっており,パリ市内の様子を見ながら乗れるメトロとして重宝していました。地上走行区間が
長いことが6号線へのゴムタイヤ併用式の採用の理由だったとのことです。おかげで高架の下に
いてもそれほど大きな騒音はありませんでした。鉄車輪併用でもやはりゴムタイヤの影響は大きい
ようです。また,地上区間への対応のため,ワイパー,タイヤなど細かな部分が他路線の車両とは
異なっており,耐雨・耐雪対策が強化されています。
左:MP73。6号線のみで活躍中。(La Motte-Picquet Grenelle駅)
右:MP73台車。車体にタイヤハウスの小さな山が二つ。
・MF77
7号線,8号線,13号線と比較的営業距離の長い路線で活躍する車両です。この車両はパリ郊外
の比較的駅間距離の長い区間(平均駅間約1km,パリ市内は約500m)に対応するよう設計されました。
そのため,最高速度も他の車両が70〜80km/hであるのに対し,MF77だけは100km/hとなっています。
郊外区間を高速で走っても乗り心地は結構快適ですし,発車時の揺れもありません。
MF77はこれ以前に登場した車両と基本構造が根本的に異なります。外観では車端が絞られた筐体で
特徴のある車体をしています。また連結面の大きな窓も特徴でしょう。ドア数は4か所から3か所に
減らされた分,ドア幅を拡大しドア前スペースを広くしてあります。また,ボックス席間隔も拡大
され,膝元も余裕が大きくなりました。車端部にはロングシート(実際には独立した横がけ1人席
が3席)も配置されていますが,車端が絞られた構造のため向かいの席との間にそれほどスペース
がなく,残念ながらロングシートの前に人が立つスペースはありません。連結面の窓も大きく,
車端部のロングシートは6人用のラウンジスペースのような感じです。内装は青が基調で落ち着いた
感じがしますが,青い内装色とともに天板がメッシュ状のフレームを使っており蛍光灯がその中に
設置されているため,光が届きにくく多少室内が暗く感じるのが難点でしょうか。
<2008年1月追記>
13号線のMF77については車両更新が行われています。更新はかなり大がかりなものになり,
内装ではシート配置の変更(横2+2人掛けから2+1人掛けへ),照明および空調の更新,音声・
視覚案内設備の追加,ドア開きの自動化などが挙げられます。また運転設備も13号線への
Ouraganシステムの導入に合わせた更新が行われます。更新車の第一編成は既に完成して営業
運転に入っており,2009年までに13号線の全66編成が更新される見込みです。
左:MF77の並び。特徴ある外観は他形式と大きく異なる。(7号線Jussieu駅)
右:絞られた車端部がよくわかる。(7号線Porte de La Villette駅)
左:連結面窓も大きい。(8号線Chemin Vert駅)
右:室内は青が基調色。照明はちょっと暗く感じる。
<2009年1月追記>
2008年末のパリ訪問の際,13号線のMF77の更新車に遭遇しました。更新前と外観はほとんど
変わりませんが,前照灯と尾灯がLED化され,前面の行き先表示がフラップ式から見やすい
タイプに変わり,遠くからでも見やすくなりました。また,黄色と青のサイドの行き先表示は
埋められました。一方の内装はかなり大がかりに手が加えられています。まず更新前の青を
基調とした内装が全面的に改められ,白をベースにした色調に変更されています。格子状の
天井も改められ,車端部の窓上部やスタンチョンポールの上部などに照明が大幅に増やされ,
更新前は薄暗かった車内はとても明るくきれいになりました。
さらに,ドア上には3号線のMF67更新車と同じ停車駅が点灯して表示される路線案内 表示が取り付けられ,さらに自動放送による駅名案内が流されるようになりました。これに より,更新前にあった車端部の青と黄色の行き先表示はなくなっています。なお,ドアを ボタンで開ける方式であることはこれまでと変わりません。また,座席配置も横2+2の4人 掛けボックスタイプからキハ141系タイプの4人ボックスと2人向かい合わせ席の配置に 変わり,通路が広くなりました。車端部の横掛け席やドア付近の跳ね上げ式簡易座席も含め, 全ての座席の形状や生地も新しくなりました。簡易座席はたたまれているときも腰掛けとして 使用できるようになっています。照明と一体になったスタンチョンポールも1本ものから三つ叉 のものに変更された上で増設され,ドア付近だけでなく座席のある中央付近にもポールが増設 されています。
2008年末の時点で,13号線のMF77はおおよそ3割から4割が更新されているようで,今後 ますますその数は増えていきそうです。
<2011年10月追記>
2011年9月のパリ訪問時には13号線のMF77については全編成車両更新が完了していました。
左:MF77更新車。青白いライトなので遠くからも判別可能。(13号線Basilique de Saint-Denis駅)
右:車内は大きく改修された。
・MF88
MF88は7bis線で活躍する車両です。3両編成が9本あり,合計27両しかありません。
3ドア幅広ドアなど基本的な設計コンセプトはMF77の考え方を受け継いでいますが,外観は
大きく異なり,車端部が絞られて顔に丸みがあるMF77に対して,折り目を強調したボクシーな
感じがします。そして,この形式から車内の通り抜けができるようになりました。札幌地下鉄
を上回るほどの大きな貫通幌で3両がまるで1両であるかのように見通せます。車内は全て枕木
方向に並んで腰掛ける席で,MF77のような車端部の横がけのロングシートはこの形式にはあり
ません。ボックス席をドアの間に配置し,車端部には2人がけの席を置いています。ドア操作は
MF77と同じボタン式です。
車両の大きな特徴として1軸台車の採用を挙げることができます。1編成3両にある6つの 台車のうち,先頭車乗務員室側を除いた4つの台車は1軸となっているのです。そのため, 比較的新しい車両にもかかわらず私が乗ったときの印象としてはあまり乗り心地が良くあり ませんでした。それほど速度が出ていないにもかかわらず,ゴトゴトとした揺れと騒音が常に あり,残念ながらあまり快適なものとはいえませんでした。
左:MF88外観。現代風の顔つき。(Louis Blanc駅)
右:MF88室内。車両間の通り抜けができるようになったのが大きな特徴。
MF88の1軸台車。車輪の外側にディスクブレーキが付いている。
・MP89
MP89は1号線と14号線で使用されている車両で,1号線用がMP89CC,14号線用がMP89ACと
呼ばれます。どちらも6両編成ですが,両者の違いはCCは乗務員がワンマン乗務する他線と同様の
タイプ,一方のACは乗務員が乗務しない無人運転用の車両ということです。MP89はMF88の設計コンセプトを
踏襲し,幅広の3ドア,札幌地下鉄のような大きな貫通路が採用されています。ドア操作はこの車両
から新たに開けるときも自動となりました。また,MF77のように車端部貫通路付近に6人分のロング
シートが配置されています。MP89CCの室内は先頭車ではJR北海道のキハ141系タイプの横2+1人がけ
のボックス席が千鳥状に配置され,中間車では従来どおりの2+2人がけのボックス席となっており,
混雑する先頭車のみ座席配置が異なります。MP89ACでは,無人運転の14号線専用の車両で,AC型の
乗務員室がある先頭の部分にもロングシートが配置され前方・後方展望ができます。また,先頭車
だけではなく,6両全てが横2+1人がけのボックス席を採用しています。どちらも最近の車両です
ので乗り心地はそれほど悪くありません。VVVF制御と思われる独特の走行音が印象的です。ただ,
14号線はメテオール(Meteor:流れ星の意),駅間が長く速度も高いため1号線より騒音が大きめに
感じました。なお,非営業時の回送や緊急時の有人運転のため,MP89ACの先頭車にも運転台があり
ますが,普段はボードで隠され施錠されています。
<2008年1月追記>
1号線は14号線と同様の無人運転への転換計画が発表されており,1号線のMP89CCは新型の無人
運転車両MP05への置き換えられ,4号線への転属が決まっています。
<2011年10月追記>
一部のMP89CCは既に4号線で運用に入っているようです。
<2013年3月追記>
1号線のMP89CCはすべてMP05に置き換えられ,4号線に転籍しました。
左:1号線用MP89CC。外観では他形式に比べ黒い部分が多くなった。(Porte Maillot駅)
右:14号線用MP89AC。先頭部分も客室となっており,側面には大きな窓がある。(St-Lazare駅)
左:MP89CC室内。CCの先頭車は横2+1人,中間車は2+2人がけ。
右:MP89ACの展望席はこんな感じ。中央手すりの下に運転機器がある。
・MF01(MF2000)<2009年1月追記>
登場から30年近くが経つMF67の置き換え用として登場した車両です。登場は当初2005年からと言われていましたが,2006年1月に量産先行車が登場しました。なお車両形式は,車両の登場が当初の計画より遅れたため,
計画時のMF2000からMF01に変更されました。2006年2月から5号線での非営業時間
帯での試運転が始まりました。さらに2006年3月からは2号線での営業時間帯の試運転が行われ,
2007年1月からようやく2号線で営業運転が開始されました。まずはMF67群の中でも車両状態の
悪い2号線用(2007年から)と5号線用(2010年から),そして9号線用(2012年から)から置き
換えが行われる予定です。2号線,5号線用のMF67は後期型(E型,F型)にもかかわらず地上区間
走行・屋外留置などのため車両の損傷が進み,同形式の中でも真っ先に置き換えが行われる結果
となりそうです。
車両外観デザインは今までの車両にはない斬新なスタイルとなっています。MP89と同じよ うな大きな側面窓と客室ドアが採用され,札幌地下鉄2000系の初期型のようです。車両間の通り 抜けができるようになっており,車両間には大きな貫通路が設けられ,先頭車からも編成全体を 見通すことができます。中間車の室内は3号線で活躍中のMF67更新車のように2+2人掛けボックス 席と横掛け4人席の組み合わせ,先頭車はMP89CCのようなキハ141系タイプの横1+2人掛けボック ス席となっており,編成内にでも複数の座席配置がありますが,どちらの車両も貫通路付近は 3人掛けの横掛け席になってます。なお,MF01はパリメトロ車両では初めての冷房搭載車になっています。
2008年12月のパリ訪問時,ようやくMF01に遭遇することができました。走行音はMF67は当然ながらMP89よりもはるかに静かで,揺れも少なくとても乗り心地も良かったです。ドアは開閉とも自動ですが,2号線は地上走行区間があり,駅の停車毎に全てのドアが開くとアッという間に冷気が入り込んできます。この点ではボタン式開閉のほうがよかったかもしれません。2008年末の訪問時に車号を確認したところ,08編成まで確認できましたので,その時点で最低8編成が既に運用に就いているようです。
左:MF01外観。丸みを帯びたこれまでのパリメトロ車両にはないデザイン。
右:側面の大きな窓は札幌地下鉄2000系のよう。
左:室内。MP89CCと同じく先頭車は横2+1人,中間車は2+2人がけ。
右:ドア上には3号線のMF67更新車と同じタイプの路線案内がある。
<2016年3月追記>
5号線のMF67は全てMF01に置き換えられ,2014年頃から9号線へのMF01の導入が始まりました。9号線
のMF01はこれまでのRATP塗装とは異なるものを採用しています。これはパリ交通公団(RATP)イル・ド・
フランス圏交通組合(STIF)の傘下に入ったことにより,STIFのコーポレートカラーとマークをMF01の
外装の一部に取り入れたためです。車体側面にシルバーの塗装が施され,ドア周りにこれまでのRATP
のコーポレートカラーの緑が入れられています。車内の配色などは従来のMF01と変わりありません。
左:前面にもシルバーが配色された。
中:側面はドア周りに緑が施されている。
右:窓にはSTIFのつる草のようなマークが入る。
・MP05
2005年秋,1号線の無人運転への転換とそれに対応した無人運転用の新型車両MP05の導入が発表され
ました。発表によると,無人運転は2010年までに行われ,現在52編成あるMP89はMP05×49編成に置き
換えられるとのことです(注)。少なくなる3編成分はおそらく無人運転による折り返し時間短縮等により
カバーされのでしょう。捻出されたMP89は活躍の場所を4号線へ移すことになり,これにより
4号線用MP59の置き換えも行われることになります。不運なことに,MP59の時と同様,4号線はまた
1号線のおさがり車両が活躍する場になるようです。また,一連の動きにより11号線のMP59が
どうなるのか気になるところです。
<2008年1月追記>
2007年末現在,11号線のMP59に関しては置き換えの話は公表されていません。
<2012年9月追記>
MP05は2012年に第1編成が運用に入りました。1号線ではしばらくの間,乗務員乗務運転列車と
無人運転列車が入り乱れて運行されるという非常に珍しい状況が続くことになります。私が2012年5月に
パリを訪問した際も5割から6割の列車がMP05による無人運転で運行されており,乗務員乗務列車を
見つけるのに苦労するくらいでした。
MP05はMP89ACとほぼ同じ外観をしていますので,一見MP89ACが1号線に転属したのかと思いましたが, 車号表記が異なるのと,内装が若干異なっていたので,新型車両だとわかりました。MP89ACと外観上の違いは ほとんどありません。内装に関してもっとも大きな違いはMF01についで冷房が搭載されたこと。パリメトロには 冷房が必要ないと書きましたが,やはり冷房搭載が時代の流れのようです。実際,私が訪問した2012年の5月末も とても暑く,冷房のあるMF01やMP05はとても快適でした。特に混雑率の高い1号線ではその導入効果も高いでしょう。
残念ながら,MP05の写真はほとんど撮る機会がありませんでした。次回以降の訪問時に撮ってくるつもりです。
<2013年3月追記>
2013年1月の訪問時に,MP05の車内の写真を撮ってきました。1号線は100%MP05での無人運転に切り替わっていました。MP05の車内の座席配置などはMP89ACと同じですが,シート地や壁などの車内の配色が異なります。また,ドア上には液晶モニタの案内表示が設置され,次駅以降の停車駅などが表示されます。無人運転なので,MP89ACと同様,前方展望も楽しめますが,前面窓下のパネルがMP89ACに比べて明るい色なので,映り込みがあって前方の暗いトンネル内での視界はあまりよくありません。
左:MP05車号表記。これを見てMP89と違う車両であることがわかった。
右:夜21:00以降は全列車無人運転という表示。
左:MP05車内。明るいシート地と天井の冷房が特徴。
右:冷房とともに車内液晶モニタの案内表示が付いた。
注:Wikipediaでは1号線用のMP05の発注編成数は53両となっています。運行本数を増加させるため, 計画段階から発注数を見直したのかもしれません。
車両形式 | MP59 | MF67 | MP73 | MF77 | MF88 | MP89 | MF01 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
先頭車全長(注1) | 15615mm | 15615mm | 15615mm | 15470mm | 15470mm | 15380mm | 15690mm |
中間車全長(注1) | 14790mm | 14790mm | 14790mm | 15500mm | 15500mm | 14880mm | 14790mm |
ドア数 | 4 | 4 | 4 | 3 | 3 | 3 | 3 |
ドア開操作 | ノブ | ノブ | ノブ | ボタン | ボタン | 自動 | 自動 |
ドア幅 | 1300mm | 1300mm | 1300mm | 1575mm | 1576mm(注3) | 1650mm | ? |
ボックス座席間隔(注2) | 1450mm | 1500mm | 1440mm | 1550mm | 1550mm | 1480mm | ? |
11号線のMP59。左の車両は落書き,右の車両はマークなし...
(Chatelet駅)
参考資料:
Brian Hardy『Paris Metro Handbook』1999(英語)。
Jean Tricoire『Un Siecle de Metro en 14 Lignes』2004(フランス語)。
RATP『Metro -RER- Une Historie Un Avenir』2007(フランス語)。
『METRO2003』http://www.metro2003.com/。
RATPウェブサイトhttp://www.ratp.fr(フランス語)。
『Rail Passion』No.99, Janvier 2006(フランス語)。